シュバイツァーのバッハ
2007年11月8日
アルベルト・シュバイツァー(1875〜1965年。独)はノーベル平和賞を受賞した医師として著名ですが、一方でオルガンの達人でもあり、バッハのオルガン譜の校訂や「バッハ伝」の著作があることでも知られています。
志鳥栄八郎氏の著作で、バッハのオルガン曲の推薦盤としてヴァルヒャやリヒターとともにシュバイツァーが挙げられ、「体が熱くなるような感動を覚える」「精神の豊かさにひかれる」「人間性の伝わってくるような大らかで心の暖まる演奏」という評を学生時代に読んで以来、気になってましたが、なかなか入手できませんでした。
最近バッハにはまるなか、ヴァルヒャらの正統派の演奏とは違う演奏を期待し、ようやく「シュバイツァーの芸術」(EMI。3枚組)をヤフオクで入手できました。1935〜6年のSP復刻で、ノイズは少ないほうですが、オルガンの深みのある響きの広がりはもちろんないです。ただその録音の悪さがかえって一種幻想的な音色になっているようにも思いました。
演奏はテクニック的に甘いところもあり(当時の修正皆無の一発本番のような録音だったのでしょう)、ヴァルヒャらの後代の様式とは違うテンポ感やアゴーギグもみられ非常に興味深いです。
例えば有名な「トッカータとフーガ ニ短調」BWV565の冒頭はかなり速く、その後テンポはかなり変動して主題はやや遅めといった具合です。
「大フーガ」BWV542や「小フーガ」BWV578は、何よりラストに向けて盛り上がる構成力やフーガの処理がすばらしく、志鳥氏の言う「心が熱くなる感動」を味わえました。テクニック的な面で現在の評論家はほとんど顧みないのでしょうけど、これはたしかに名演です。
志鳥栄八郎氏の著作で、バッハのオルガン曲の推薦盤としてヴァルヒャやリヒターとともにシュバイツァーが挙げられ、「体が熱くなるような感動を覚える」「精神の豊かさにひかれる」「人間性の伝わってくるような大らかで心の暖まる演奏」という評を学生時代に読んで以来、気になってましたが、なかなか入手できませんでした。
最近バッハにはまるなか、ヴァルヒャらの正統派の演奏とは違う演奏を期待し、ようやく「シュバイツァーの芸術」(EMI。3枚組)をヤフオクで入手できました。1935〜6年のSP復刻で、ノイズは少ないほうですが、オルガンの深みのある響きの広がりはもちろんないです。ただその録音の悪さがかえって一種幻想的な音色になっているようにも思いました。
演奏はテクニック的に甘いところもあり(当時の修正皆無の一発本番のような録音だったのでしょう)、ヴァルヒャらの後代の様式とは違うテンポ感やアゴーギグもみられ非常に興味深いです。
例えば有名な「トッカータとフーガ ニ短調」BWV565の冒頭はかなり速く、その後テンポはかなり変動して主題はやや遅めといった具合です。
「大フーガ」BWV542や「小フーガ」BWV578は、何よりラストに向けて盛り上がる構成力やフーガの処理がすばらしく、志鳥氏の言う「心が熱くなる感動」を味わえました。テクニック的な面で現在の評論家はほとんど顧みないのでしょうけど、これはたしかに名演です。
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