ピアノ曲全集・選集のおすすめ
2007年1月15日コメント (4)あくまで作曲家のピアノ曲の全集もしくはそれに準じるもののセットで比較してみました。こういう企画は評論書の類にないですね。
●JSバッハ
クラヴィーア曲(チェンバロを含む)全集では、堅実でバッハが乗り移ったようなヴァルヒャ(cemb。EMI。ただトッカータや半音階的幻想曲とフーガなどが入っていない)、現代的な感覚ながら非常に説得力のあるレオンハルト(cemb。DHなど)、それらと対極にある新境地のグールド(pf。CBS)が大御所です。シフ(pf。デッカ。トッカータなし)は軽い感じに好悪分かれそう、ヒューイット(pf。ハイペリオン)は堅実で音の響きもいいのですが曲によっては軽い感じがします。
●ハイドン
ソナタ全曲はチモフェーエフ(メロディア)など数種出ているようですがまだ未聴です。
●スカルラッティ
全曲録音は未聴です。個人的にはホロヴィッツ(CBS)の数曲の録音が珠玉のような存在。
●モーツァルト
ソナタを含めたピアノ曲全集としてはギーゼキング(EMI)がモノラル録音で淡白な印象ですがノンペダルの弾き方でモーツァルトの世界を堪能できます。
ソナタ全集(18曲)は弾くのに喜びを感じる者ですが、何だかんだいいながらセットを買ってしまいます。録音の悪い方から言うと、評論家U野氏絶賛のクラウス旧盤(EMI)は上品で心地よい感じで確かにおすすめ。新盤(CBS)はややごつごつした感じ。ギーゼキング(EMI)は淡白で素っ気ない感じですがテクニックは抜群。ステレオ時代では、エキセントリックこのうえないグールド(CBS)はいろいろな新発見がある。ヘブラー(フィリップス)はゆったりとしたテンポのなかで大御所的な印象。
デジタル時代ではラローチャ(デッカ)と内田光子(フィリップス)が双璧。ともに細部にまでこだわった感じで、オーソドックスな演奏。
●ベートーヴェン
ソナタを含めたピアノ曲全集というのは有名なピアニストではありません。ソナタ以外の小品(変奏曲やバガテルなど)で網羅的なものはブレンデル(ブリリアント)の5枚組のほか、主要曲ではケンプ(DG)の2枚組がおすすめです。
ソナタ32曲は別の日記に詳細を書きました。初めて聴くならバックハウス新盤(デッカ)。テクニックを考えればバックハウス旧盤のほうが優れており、解釈はほとんど同じ。もっと録音がよいのをお望みならブレンデルとアラウのそれぞれ新盤(フィリップス)。こだわりのあるところで旧ソ連時代のグリンベルグ(メロディア)やハンガリーのAフィッシャー(フンガロトン)の二人の女流は含蓄のある演奏。あとグルダ新旧(デッカ・アマデオ)も上品でスピーディ。ケンプやバレンボイムはややテクニックが弱い(DG)。往年のシュナーベルやナット(EMI)は録音はともかく一聴に値する名演。逆に最新録音のものではアシュケナージ(デッカ)、チッコリーニ(EMI)、グード(パイオニア)など。
●シューベルト
ソナタと「即興曲」「さすらい人幻想曲」「楽興の時」などの小品、連弾曲などを含めたピアノ曲全集はありません。ソナタとは別にケンプ(DG)、内田光子(フィリップス)あたりがおすすめ。
ソナタ21曲の全集はケンプが往年の名盤(DG)。艶光りするような響きとドイツ的解釈が独特。対極は内田光子(フィリップス)で、内面性豊かでじっくり弾いた感のある演奏。他にシフ(デッカ)はやや軽い感じのタッチながらテクニックもありすばらしい。
●メンデルスゾーン
ピアノ曲全集はないようです。「無言歌集」も全曲となるとバレンボイム(DG)あたりか。
●ショパン
完全な全集はない(数人で弾いたものは存在する)けど、それに近いものならルービンシュタイン(RCA)が必携レヴェル(ただし練習曲は録音されてない)。それに次ぐのがファンタジーに富むコルトーとフランソワ(EMI)。録音がよいものではアシュケナージ(デッカ)。珍しいソナタ1番など秘曲が多いのも嬉しい。
●シューマン
これも完全な全集はないけど、主要曲が網羅されたアシュケナージ(デッカ)が録音もよく全体の平均点が高い。往年のケンプ(DG)はドイツ的手法がうかがえ貴重。ゆったりとしたテンポのアラウ(フィリップス)もおすすめ。
●ブラームス
全集ではカッチェン(デッカ)がおすすめで、曲によってムラはあるがテクニックは抜群で「シューマンの主題による変奏曲」など秘曲も多い。アラウ(フィリップス)は全曲ではないが、初期の作品を網羅しており、特に「ヘンデル変奏曲とフーガ」「パガニーニ変奏曲」のベスト盤。晩年の小品集ならケンプ(DG)が心をこめて弾いたような名演。
●リスト
LP時代にクリダのすばらしい全集があった(IPG)が、CD化は待てど暮らせど実現しない。NAXOSで現在録音進行中とか。選集ではシフラ(EMI)がやはりすごいテクニックで、リストを聴いた!っていう感じ。他にアラウ(フィリップス)、ボレット(デッカ)もあるが、それぞれ網羅的ではない。
●サン=サーンス
女流マリレーヌ・ドースが録音した全集(VOX)が5枚にまとまって廉価で買える。堅実でしかもセンスのいい演奏です。
●フォーレ
次の3種がどれもすばらしい出来。速めのテンポで颯爽としているコラール(EMI)、じっくり弾いた感じのドワイヤン(エラート)、フランス的色彩やフォーレの味わいをうまくだしたユボー(エラート)。
●ドビュッシー
ベロフもミケランジェリも全曲録音は出しておらず、全集としてはギーゼキング(EMI)が有名ですが、モノラル録音のためドビュッシーの陰翳とかニュアンスに乏しい感じ。フランソワは録音中に急死したので全曲そろってないがこちらのほうがおすすめ(EMI)。あとデジタル録音のチッコリーニ(EMI)はゆったりとしたテンポで響きもよくすばらしい出来。
●サティ
チッコリーニ(EMI)がニュアンスがあってすばらしい。
●シャブリエ
これもチッコリーニ(EMI)の貴重な録音があります。
●マスネ
これまたチッコリーニ(EMI)の選集が貴重でいい演奏です。
●セヴラック
またまたチッコリーニ(EMI)の選集で曲ともどもすばらしい演奏です。
●ラヴェル
CD2枚で全集揃うので我が家には何種類もたまってしまいましたが、一番のおすすめは奇跡の名演のようなフランソワ(EMI)。あと作曲者直伝のペルルミューテル(コロンビア)、モノラル録音ながら色彩感のあるギーゼキング(EMI)、カサドゥシュ(CBS)もすばらしい。
●プーランク
ロジェ(デッカ)による全集がしゃれた味わいで優れています。
●グリーグ
オピッツ(RCA)やノックレベルク(NAXOS)の全集がありますがまだ未聴です。
●シベリウス
目立たないながら気になる作品が多いですが、全集はないようです。館野泉(キャニオン)の選集はおすすめです。
●バラキレフ
難曲「イスラメイ」で知られていますが、最近発売されたパレイの6枚組の全集(ブリリアント)は堅実でいい演奏でした。
●グラナドス
ドースの全集(VOX)は店頭で見かけただけでまだ未聴です。でも、この作曲家の「ゴイエスカス」など主要作品はスペインの大御所ラローチャ(デッカ)の独壇場。
●アルベニス
これまた全集は未聴で、「イベリア組曲」などラローチャ(デッカ)による主要曲の録音で十分。
●モンポウ
「スペインのサティ」とよばれる人で自作自演の貴重な全集(ブリリアント)があり、録音もよくまず聴くべきです。これまたラローチャ(デッカ)の主要曲の演奏(「歌と踊り」など)もあり万人向けの演奏です。
●スクリャービン
ピアノ作品全集はポンティ(VOX)だけで、ソナタ全集2枚と小品(前奏曲・練習曲など)が5枚にまとまって廉価で買える。演奏は堅実そのものでクリアーで健康的な演奏(?)、でもまとまっているので買って損はない。ソナタ全曲(10曲)ならアシュケナージがあるものの、ホロヴィッツが残した数曲の録音(3.5.9.10番)を聴いていると迫力不足も否めない。
●ラフマニノフ
これも完全な全集はないが、それに近いのがアシュケナージのBOX(デッカ)。2台のピアノ用まで入っていてお得。ただ曲によって出来にムラがある。
●ヒンデミット
ソナタ3曲がCD1枚に収まったグールドの鋭利な演奏(CBS)があります。
●シェーンベルク
グールドによるほぼ全集に近い録音(CBS。協奏曲や歌曲を含む)があり、優れています。ポリーニ(DG)もすばらしい演奏。
●ヤナーチェク
クヴァピル(ADDA)の6枚組の全集があるようですが未聴です。フィルクシュニーの主要曲集2枚組(DG)はおすすめ。
●バルトーク
全集はあるかもしれないけど未聴。作曲者と親交のあったシャーンドルの選集(CBS)が貴重な録音。ただしミクロコスモスがはいっていない。
●プロコフィエフ
ピアノ曲全集のようなものは見かけない。ソナタ全曲(9曲)ならブロンフマン(CBS)の物凄い演奏があるが、ちょっと雑なところが気になる。「悪魔的暗示」あたりもっと演奏されてもいい曲。リヒテルの戦争ソナタ3曲の演奏がとびぬけて凄絶(メロディア・DG)。
●ショスタコーヴィチ
ピアノ曲全曲録音はない。アシュケナージの「24の前奏曲とフーガ」「24の前奏曲」などの主要な曲を室内楽と共にまとめたBOX(デッカ)が昨年発売され、録音もよく非常に洗練された演奏。
●JSバッハ
クラヴィーア曲(チェンバロを含む)全集では、堅実でバッハが乗り移ったようなヴァルヒャ(cemb。EMI。ただトッカータや半音階的幻想曲とフーガなどが入っていない)、現代的な感覚ながら非常に説得力のあるレオンハルト(cemb。DHなど)、それらと対極にある新境地のグールド(pf。CBS)が大御所です。シフ(pf。デッカ。トッカータなし)は軽い感じに好悪分かれそう、ヒューイット(pf。ハイペリオン)は堅実で音の響きもいいのですが曲によっては軽い感じがします。
●ハイドン
ソナタ全曲はチモフェーエフ(メロディア)など数種出ているようですがまだ未聴です。
●スカルラッティ
全曲録音は未聴です。個人的にはホロヴィッツ(CBS)の数曲の録音が珠玉のような存在。
●モーツァルト
ソナタを含めたピアノ曲全集としてはギーゼキング(EMI)がモノラル録音で淡白な印象ですがノンペダルの弾き方でモーツァルトの世界を堪能できます。
ソナタ全集(18曲)は弾くのに喜びを感じる者ですが、何だかんだいいながらセットを買ってしまいます。録音の悪い方から言うと、評論家U野氏絶賛のクラウス旧盤(EMI)は上品で心地よい感じで確かにおすすめ。新盤(CBS)はややごつごつした感じ。ギーゼキング(EMI)は淡白で素っ気ない感じですがテクニックは抜群。ステレオ時代では、エキセントリックこのうえないグールド(CBS)はいろいろな新発見がある。ヘブラー(フィリップス)はゆったりとしたテンポのなかで大御所的な印象。
デジタル時代ではラローチャ(デッカ)と内田光子(フィリップス)が双璧。ともに細部にまでこだわった感じで、オーソドックスな演奏。
●ベートーヴェン
ソナタを含めたピアノ曲全集というのは有名なピアニストではありません。ソナタ以外の小品(変奏曲やバガテルなど)で網羅的なものはブレンデル(ブリリアント)の5枚組のほか、主要曲ではケンプ(DG)の2枚組がおすすめです。
ソナタ32曲は別の日記に詳細を書きました。初めて聴くならバックハウス新盤(デッカ)。テクニックを考えればバックハウス旧盤のほうが優れており、解釈はほとんど同じ。もっと録音がよいのをお望みならブレンデルとアラウのそれぞれ新盤(フィリップス)。こだわりのあるところで旧ソ連時代のグリンベルグ(メロディア)やハンガリーのAフィッシャー(フンガロトン)の二人の女流は含蓄のある演奏。あとグルダ新旧(デッカ・アマデオ)も上品でスピーディ。ケンプやバレンボイムはややテクニックが弱い(DG)。往年のシュナーベルやナット(EMI)は録音はともかく一聴に値する名演。逆に最新録音のものではアシュケナージ(デッカ)、チッコリーニ(EMI)、グード(パイオニア)など。
●シューベルト
ソナタと「即興曲」「さすらい人幻想曲」「楽興の時」などの小品、連弾曲などを含めたピアノ曲全集はありません。ソナタとは別にケンプ(DG)、内田光子(フィリップス)あたりがおすすめ。
ソナタ21曲の全集はケンプが往年の名盤(DG)。艶光りするような響きとドイツ的解釈が独特。対極は内田光子(フィリップス)で、内面性豊かでじっくり弾いた感のある演奏。他にシフ(デッカ)はやや軽い感じのタッチながらテクニックもありすばらしい。
●メンデルスゾーン
ピアノ曲全集はないようです。「無言歌集」も全曲となるとバレンボイム(DG)あたりか。
●ショパン
完全な全集はない(数人で弾いたものは存在する)けど、それに近いものならルービンシュタイン(RCA)が必携レヴェル(ただし練習曲は録音されてない)。それに次ぐのがファンタジーに富むコルトーとフランソワ(EMI)。録音がよいものではアシュケナージ(デッカ)。珍しいソナタ1番など秘曲が多いのも嬉しい。
●シューマン
これも完全な全集はないけど、主要曲が網羅されたアシュケナージ(デッカ)が録音もよく全体の平均点が高い。往年のケンプ(DG)はドイツ的手法がうかがえ貴重。ゆったりとしたテンポのアラウ(フィリップス)もおすすめ。
●ブラームス
全集ではカッチェン(デッカ)がおすすめで、曲によってムラはあるがテクニックは抜群で「シューマンの主題による変奏曲」など秘曲も多い。アラウ(フィリップス)は全曲ではないが、初期の作品を網羅しており、特に「ヘンデル変奏曲とフーガ」「パガニーニ変奏曲」のベスト盤。晩年の小品集ならケンプ(DG)が心をこめて弾いたような名演。
●リスト
LP時代にクリダのすばらしい全集があった(IPG)が、CD化は待てど暮らせど実現しない。NAXOSで現在録音進行中とか。選集ではシフラ(EMI)がやはりすごいテクニックで、リストを聴いた!っていう感じ。他にアラウ(フィリップス)、ボレット(デッカ)もあるが、それぞれ網羅的ではない。
●サン=サーンス
女流マリレーヌ・ドースが録音した全集(VOX)が5枚にまとまって廉価で買える。堅実でしかもセンスのいい演奏です。
●フォーレ
次の3種がどれもすばらしい出来。速めのテンポで颯爽としているコラール(EMI)、じっくり弾いた感じのドワイヤン(エラート)、フランス的色彩やフォーレの味わいをうまくだしたユボー(エラート)。
●ドビュッシー
ベロフもミケランジェリも全曲録音は出しておらず、全集としてはギーゼキング(EMI)が有名ですが、モノラル録音のためドビュッシーの陰翳とかニュアンスに乏しい感じ。フランソワは録音中に急死したので全曲そろってないがこちらのほうがおすすめ(EMI)。あとデジタル録音のチッコリーニ(EMI)はゆったりとしたテンポで響きもよくすばらしい出来。
●サティ
チッコリーニ(EMI)がニュアンスがあってすばらしい。
●シャブリエ
これもチッコリーニ(EMI)の貴重な録音があります。
●マスネ
これまたチッコリーニ(EMI)の選集が貴重でいい演奏です。
●セヴラック
またまたチッコリーニ(EMI)の選集で曲ともどもすばらしい演奏です。
●ラヴェル
CD2枚で全集揃うので我が家には何種類もたまってしまいましたが、一番のおすすめは奇跡の名演のようなフランソワ(EMI)。あと作曲者直伝のペルルミューテル(コロンビア)、モノラル録音ながら色彩感のあるギーゼキング(EMI)、カサドゥシュ(CBS)もすばらしい。
●プーランク
ロジェ(デッカ)による全集がしゃれた味わいで優れています。
●グリーグ
オピッツ(RCA)やノックレベルク(NAXOS)の全集がありますがまだ未聴です。
●シベリウス
目立たないながら気になる作品が多いですが、全集はないようです。館野泉(キャニオン)の選集はおすすめです。
●バラキレフ
難曲「イスラメイ」で知られていますが、最近発売されたパレイの6枚組の全集(ブリリアント)は堅実でいい演奏でした。
●グラナドス
ドースの全集(VOX)は店頭で見かけただけでまだ未聴です。でも、この作曲家の「ゴイエスカス」など主要作品はスペインの大御所ラローチャ(デッカ)の独壇場。
●アルベニス
これまた全集は未聴で、「イベリア組曲」などラローチャ(デッカ)による主要曲の録音で十分。
●モンポウ
「スペインのサティ」とよばれる人で自作自演の貴重な全集(ブリリアント)があり、録音もよくまず聴くべきです。これまたラローチャ(デッカ)の主要曲の演奏(「歌と踊り」など)もあり万人向けの演奏です。
●スクリャービン
ピアノ作品全集はポンティ(VOX)だけで、ソナタ全集2枚と小品(前奏曲・練習曲など)が5枚にまとまって廉価で買える。演奏は堅実そのものでクリアーで健康的な演奏(?)、でもまとまっているので買って損はない。ソナタ全曲(10曲)ならアシュケナージがあるものの、ホロヴィッツが残した数曲の録音(3.5.9.10番)を聴いていると迫力不足も否めない。
●ラフマニノフ
これも完全な全集はないが、それに近いのがアシュケナージのBOX(デッカ)。2台のピアノ用まで入っていてお得。ただ曲によって出来にムラがある。
●ヒンデミット
ソナタ3曲がCD1枚に収まったグールドの鋭利な演奏(CBS)があります。
●シェーンベルク
グールドによるほぼ全集に近い録音(CBS。協奏曲や歌曲を含む)があり、優れています。ポリーニ(DG)もすばらしい演奏。
●ヤナーチェク
クヴァピル(ADDA)の6枚組の全集があるようですが未聴です。フィルクシュニーの主要曲集2枚組(DG)はおすすめ。
●バルトーク
全集はあるかもしれないけど未聴。作曲者と親交のあったシャーンドルの選集(CBS)が貴重な録音。ただしミクロコスモスがはいっていない。
●プロコフィエフ
ピアノ曲全集のようなものは見かけない。ソナタ全曲(9曲)ならブロンフマン(CBS)の物凄い演奏があるが、ちょっと雑なところが気になる。「悪魔的暗示」あたりもっと演奏されてもいい曲。リヒテルの戦争ソナタ3曲の演奏がとびぬけて凄絶(メロディア・DG)。
●ショスタコーヴィチ
ピアノ曲全曲録音はない。アシュケナージの「24の前奏曲とフーガ」「24の前奏曲」などの主要な曲を室内楽と共にまとめたBOX(デッカ)が昨年発売され、録音もよく非常に洗練された演奏。
コメント
僕にはグールドの良さがさっぱり分からないという負い目があります。ケンプは聴いたことがないのでなにか聴いてみたいと思います。
モーツァルトは、確かに女性の演奏がいいですが、アラウのソナタも大好きです。ギーゼキングのモーツァルトは今一つというのは同感です。なぜか世評は高いですね。フランス物は素晴らしい!
アラウは何を弾かせてもオーソドックスながら彼の美意識に惚れ込んでしまいますね!40歳を過ぎると彼のような遅めのテンポが好みになります。
今回も気合の入った内容ですね。感心しました。
アシュケナージお好きなんですね。
いつもコメントありがとうございます。グールドは個性ありすぎで好悪分かれると思います。
アシュケナージが全集っぽく網羅的に録音するし演奏は万人向けなので今回たくさん入りました。でもこういう全集録音とは無縁のホロヴィッツやリヒテル、ギレリス、ミケランジェリ、ゼルキンといった巨匠ピアニストのほうが実は大好きです。彼らの録音についてまた日記を書きます。