アニー・フィッシャーのベートーヴェン・ソナタ全集
2006年2月18日コメント (3)
アニー・フィッシャーの録音はフンガロトンというレーヴェルが多く、日本発売がないためか日本ではあまり知られていませんが、知る人ぞ知る巨匠で、数度来日公演もありました。このベートーヴェンソナタ全集(1977〜78年)は輸入盤でも高価で今まで指をくわえて我慢してましたが、やっと中古で安く買うことができました。
それにしてもすばらしい演奏!ベーゼンドルファーの甘い響きに快速なテンポで、バックハウスによく似ていますが、息づかいが巨匠風でアダージョ楽章の精神性は深く、情熱あふれるアレグロ楽章はスケールも大きく、ピアニズムにあふれていながらベートーヴェンの域を逸脱はしないドイツ的な感性であることも聴いていて非常に説得力がありました。またどの曲も慈しむかのような演奏で、全集としての価値が大きいです。今まで聴いたソナタ全集のなかでも指折りの存在なのに、オントモムックの類とか吉井亜彦「名盤鑑定百科」ではこのフィッシャー全集に触れているのは一冊もなく、まったく日本の評論家っていうのは何を聴いているんだと文句言いたいほどです。
EMIの輸入盤4枚組にシューマンのほかに悲愴・月光・ワルトシュタインなどが入っていた録音(1957〜64年)はアーカイブズシリーズで復刻されましたが、それより表現の幅が大きく深くなっている感じです。
それにしてもすばらしい演奏!ベーゼンドルファーの甘い響きに快速なテンポで、バックハウスによく似ていますが、息づかいが巨匠風でアダージョ楽章の精神性は深く、情熱あふれるアレグロ楽章はスケールも大きく、ピアニズムにあふれていながらベートーヴェンの域を逸脱はしないドイツ的な感性であることも聴いていて非常に説得力がありました。またどの曲も慈しむかのような演奏で、全集としての価値が大きいです。今まで聴いたソナタ全集のなかでも指折りの存在なのに、オントモムックの類とか吉井亜彦「名盤鑑定百科」ではこのフィッシャー全集に触れているのは一冊もなく、まったく日本の評論家っていうのは何を聴いているんだと文句言いたいほどです。
EMIの輸入盤4枚組にシューマンのほかに悲愴・月光・ワルトシュタインなどが入っていた録音(1957〜64年)はアーカイブズシリーズで復刻されましたが、それより表現の幅が大きく深くなっている感じです。
コメント
ただ、あまりにその表現が激しい故か端正な演奏を好む評論家連中には評価は低い印象ですね。残念。
ちなみにハンマークラヴィーアの第3楽章にチリチリというノイズありませんでしたか?
アニーの演奏は自由なファンタジーが聴けていいですよね。多少のアラがあったり(32番2楽章とか)、ノイズもあったり、あとご本人の発売許可が生前なかったということで、どうしても評論家の評価は低いのかもしれません。でも聴くたびにいろいろ他のピアニストで聴けないベートーヴェンを満喫できますね!
情報ありがとうございます。やっぱりノイズはマスターに起因する物だったんですね。残念。
アニーの演奏でもう一つ。
フンガロトンにシューベルトのピアノ・ソナタ21番、リストのピアノ・ソナタが収録されているCDがあります。
一般的に穏やかに奏されることが多いシューベルトが怒りを感じさせるような激しさで、まさに怪演と呼べる物。
リストも背筋が寒くなるような独特な演奏です。
アニーの芸術を愛する方だったら大満足すること間違いなしです。