マーラーの交響曲全集
ベルティーニの話のついでに、マーラーの交響曲全集の聴き比べをメモしておきます。
(1)バーンスタイン・ニューヨークフィル(旧。CBS)…速めのテンポで躍動感があるんですが、個性的なテンポでオケのアラも目立ち、素っ気ないところも多く好きになれない感じ。
(2)ショルティ・シカゴフィル(デッカ)…学生時代に聞きこんだので思い入れが強く、3番・8番あたりは秀演。響きが洗練されすぎもっとコクが欲しい気もします。
(3)クーベリック・バイエルン(DG)…これも学生時代に聴きまくりました。ドイツ的な古風な響きは私好みですが、オケのアラも目立ち、全体におとなしい気もします。8番の盛りあがりは名演です。
(4)テンシュテット・ロンドンフィル(EMI)…独自の表現主義的なマーラーで好悪分かれそうで、この人はライブのほうが盛り上がってて好きで、スタジオ録音にしては音質も今一つでオケのアラも若干あり、今ひとつ好きになれない感じ。
(5)インバル・フランクフルト放送(デンオン)…オケのレヴェルが高く(特にホルン)、響きがマーラーにぴったりの気がします。解釈は精密な感じで構成感がしっかりしていてこれが好悪に分かれるかもしれません。とりわけ構成力のきわだつ7番が名演。
(6)バーンスタイン・アムステルダムコンセンルトヘボウ/ニューヨークフィル/ウィーンフィル(新。DG)…全集で一つ選ぶとすればこのセット。特に1・5・6・8・9番・大地は耽美的でスケールも大きく大好きな演奏です。
(7)マゼール・ウィーンフィル(CBS)…ウィーンフィルの唯一の全集でオケはうまいですが、ゆったりとしたテンポ感が個性的で好悪分かれそう。曲によっては耽美的な時とパワフルな時が中途半端な感じもありますが、3・8番はたっぷりと旋律を歌わせ歌手もうまく名演です。
(8)シノーポリ・フィルハーモニア(DG)…この録音もマーラーにふさわしい響きで説得力のある演奏が多く、耽美的なバーンスタインに対して精密で健全なマーラーの印象。5・6・10番あたりが名演。
(9)アバド・ベルリンフィル(DG)…アバドにしては個性が弱くバーンスタインとシノーポリの中間的な印象で、ベルリンフィルの精緻で迫力のあるサウンドが聞き物。2・6番が好きです。
(10)ベルティーニ・ケルン放送(EMI)…精密な職人技のような印象。耽美的な部分やオケの響きは秀逸ですが、曲によっては物足らない部分もあります。3・7・9番あたりが名演。

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