イダ・ヘンデルのチャイコン
去年発売された往年の名演奏家を回顧するEMIのアーカイブス・シリーズは買うたびに新たな発見と感動があって、ナイやヘス、Aフィッシャーのベートーヴェンのソナタなどもすばらしかったのですが、今のところ一番のお気に入りはイダ・ヘンデル(1924年〜)です。1950年代のEMI録音にしては良好で、メインはチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」(グーセンス指揮ロイヤルフィル)。ふくよかな響きのある美音と安定した技巧で名演であることは言うまでもなく、特筆すべきはゆったりとした歌い回しで一音一音を丁寧に弾いていて、その美音に包まれながら、飽きることなくずーっと聴いていたい感覚をおぼえました。今の私の感性にぴったりきました。
カップリングの小品では、パガニーニ「カプリース第24番」(アウアー編曲。このピアノ伴奏付き編曲はハイフェッツ・メニューインとたてつづけに3種聴きました)、ファリャ「スペイン舞曲第1番はかなき人生より」、パガニーニ「エジプトのモーセ幻想曲」、ドヴォルザーク「スラヴ舞曲第2番」など、どれもすばらしい演奏です。
あとデンオンレーヴェルの録音集成3枚組にヴィエニアフスキーの2番やラロのスペイン交響曲、「ツィガーヌ」「ツィゴイネルワイゼン」などの小品集が収められ、こちらも非常にすばらしい演奏です。

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