パーレイの演奏でドイツの銘器ブリュートナーで録音したCDを聴きました。ブリュートナーは知る人ぞ知るピアノで、四本弦のうち1本はハンマーが叩かなくて共鳴させる仕組みで、響きはベーゼンドルファーに似た深みがあって柔らかな音で、確かに叩音が複雑な気もして、ちょうど2台のピアノで二人同時に同じ曲をぴったり弾いたような感じもします。
モーツァルトの幻想曲ニ短調、ベートーヴェン「ワルトシュタイン・ソナタ」、ブラームス「パガニーニ変奏曲」、バーテル「ダヴィドとゴリアテ」が収録されています。特にベートーヴェンやブラームスの難曲は、曖昧さ皆無でたっぷりのテンポで非常にオリジナリティに富み、この楽器の特性を生かしてフォルテを強打するところはビーンと響いて快感です。またバーテルは現代ドイツの作曲家で、スクリャービン的な部分やジャズっぽい要素があって聴きやすい感じで非常に鋭敏な感覚の曲で、この楽器を生かして強打で狂乱的になるところの迫力は物凄く、また曲自体も気に入りました。

コメント

stella
stella
2006年2月5日22:43

バーテルという作曲家はこのCDで初めて知りました。
パレイの演奏はまさにロシア系という感じですが、調べてみるとやはりモスクワ音楽院で勉強された方なのですね。

ドイツで生演奏を聞いたときはものすごい拍手の嵐で、「こんな素晴らしい演奏聞いたのは初めてだ」と感動を語る友人も居たり、私にとっても生涯忘れられない演奏会でしたね。

奏(かなで)
奏(かなで)
2006年2月6日9:34

stellaさんドイツで生演奏ですか!羨ましいです。最近のピアニストはグレードアップして期待の人揃いになってきました。このブリュートナーというピアノの玄妙な響きもまた格別ですね。

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