バックハウスのショパン
LP時代、バックハウスに夢中になり正規盤を全部集めましたが、その時大好きだったなかに「ショパンリサイタル」という廉価盤2枚がありました。一言で言えば、ドイツ人による独特の感性のショパンと言えるでしょうが、モノラル録音ながら逆に一音一音が鮮明で、非常に聞き応えがあります。
SP時代ショパンの「練習曲」と言えばコルトーとともにバックハウスの技巧万全の演奏が人気を集めたと言われてますが、バックハウスがモノラル時代に再録音したこのCDの「練習曲」(抜粋)は非常に丁寧な演奏で、特に「別れの曲」は普通の倍くらいゆったりとしたテンポで歌うように始まり、中間部で颯爽と速めて盛り上がったあと、主題再現でまた元のテンポにもどります。「ワルツ2番」も、2小節間にまたがる13連符の音階でさーっと駆け上がるところの3度目(コーダに入るちょっと前)は止まるかのようにリタルダントをかけ、その後テンポを飛ばす風で、心憎い非常に魅力あるテンポ設定だと思います。
で、ずーっとCDになるのを待ってたんですが、本家のデッカではなく、テスタメントから再発されました(しかもLP2枚分がCD1枚に)。ショパン好きの方にはおすすめします。

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